伊東の老舗いなりずし店「祇園」(伊東市広野)が現在、事業継承を経て、10月の営業再開を目指している。現在は厨房を中心に工事を進めており、当面は「いなり寿司(ずし)」と「のり巻き」のみの販売となる。
同店は1946(昭和21)年、物資や食料が十分でなかった戦後間もない時代に創業した。白米の寿し飯を「甘く味付け」した油揚げで包んだ「いなり寿司」は、約80年伊東市民を中心に親しまれてきた。1959(昭和34)年には国鉄(現JR東日本)伊東駅で構内営業を始め、伊東で初めての駅弁として多くの旅人に愛されてきた。昨年9月に事業を停止したが、今年6月に正式な手続きを経て事業継承が実現した。
再開後の販売品目は当面「いなり寿司」と「いなりのり巻詰合せ」の2種類のみで、本店のみで販売する。従業員の募集も近日中に始める予定だ。
事業を継承した「FJリゾートマネジメント」(伊東市宝町)を傘下に持つ「FJネクストグループ」の創業者・肥田幸春さんは伊東市出身。伊豆エリアとの縁が深い中、昨年9月に祇園の事業停止を伝える記事を見て、「何とか『祇園』の味を後世に残せないか」という思いから継承に至った。
同社は「伊東で生まれ多くの人に支えられてきた『祇園』の歴史を未来へつなぎ、変わらぬおいしさをお届けしたい」とする。